ヤシマノート

メカ技の人間が色々やっとる雑記ブログ

カメの世話と愛の技術【エーリッヒ・フロム】

カメさん、こちら

訳あって老齢のクサガメが部屋に来た。毎日2回ほど水槽の水換えをした方が良いらしいので、それをやってみている。カメは水槽の水を飲むらしい。うちに来てからあまり元気な感じのしないのは、老いのせいもあるのかもしれない。しかし、綺麗な水につけてやると、心なしか安堵の表情を浮かべているように見えた。ふと、ある本の内容を思い出した。

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愛の技術

こちらエーリック・フロム氏の本で1956年のニューヨークで出版されたロングセラー。邦題は「The Art of Loving」つまり「愛の技術」である。本書で、愛は行為であり、その技術は、科学や医学の類と同様に知と修練により習得するものとして取り上げられる。カメの水替えは対価を求めず、能動的に行っているので、本書で言う愛に近いように思う。まだまだ修練が足りない私なのだけれど。

愛するということ 新訳版

愛の修練って?

詳しくは本書を読んでほしいのだけど、愛の技術を習得するに必要なことは他の技術と同じようなものらしい。規律・集中・忍耐・関心。これらの基礎がなければあらゆる技術の習得はできない。集中するために最近でも話題になっている瞑想の話もでてくる。そうしたうえで、謙虚さと客観性と理性を育てながら、いつも平等に集中して、人を愛し続けること。これが修練なのだそうだ。現代の資本主義社会では難儀なことでしょうね。と著者も語っている。資本主義的な見地でいると夫婦間ですら愛を実らすのが容易ではない。やれ裁判だなんだといったトラブルがつきものの世の中だ。そんな現世だが、動物のペットというのは愛を体験するにはハードルが低いように思える。ポテンシャルがあるだけに人を相手にするのは難しくなるようだ。いつかカメに恩返しされる夢を見たのなら、一部は撤回しなければならない話になるのだろうけどね。